スイッチの動きが良いと乗っていて気持ちが良いもの!?グリスアップを実施
スイッチボックスの故障というのは結構あるもので、バイク用品店のメカニック時代にも月に1~2台は、スイッチ接触不良による灯火類の不点灯やセルスタート不良の車両が入庫してくることがあった。
用品店は基本的に修理は請け負っていないので、わかる範囲で原因を特定し、部品の交換という流れで作業が進むことになる。接点不良のおおよその原因は腐食か、摩耗である。
修理もできなくはないのだが、それで工賃をいくらもらうのか?すでに次の作業予約時間が迫る中、どこまで作業を進められるのか?こういった難しい制約の中で用品店メカニックは仕事をしている……。という話は今度別のページで書きたいと思う。
つまり何が言いたいかと言うと、スイッチボックスのトラブルは少なくない。そのトラブルを防ぐには、グリスアップが有効だ。
腰を据えて椅子に座って机の上で分解作業できるなら、完全分解もできるだろうが、スイッチボックスをハンドルから外すだけで、結構メンテはできるものだ。
その際は、スプレー式のグリスが便利である。
スイッチボックス分解メンテナンスの手順
スイッチボックスは下側から2本のボルトで上側と下側が固定されている。プラス頭のボルトであることが多い。
プラス頭に対して真っすぐドライバーを当てないと、頭を嘗めるので注意したい。
2本のボルトの長さが異なることもあるので確認しておく。
セローのスイッチボックスはボルトの長さは一緒だった。
ボルトが抜けたら、スイッチボックスは上下分割で外すことができる。
スイッチボックス内部は虫が巣を作っていることも多い。簡単に外せそうな部品を外し、汚れが酷い場合は、歯ブラシとか綿棒でクリーンナップする。
スプレー式のグリスを金属と金属の摺動部めがけて吹き付けておく。
スプレーしたらスイッチを何度か作動させ、さらに追いグリスをする。
スイッチボックスは突起が設けられており、その突起をハンドルの穴に合わせて組み付けることで、回り止めとなっている。
ボルトを均等に締めて作業完了。
スプレーグリスを使って分解せずにグリスアップも可能
スイッチボックスを外すのも面倒な場合は、スイッチの隙間からグリスをスプレーするだけでもまだましだ。
ホコリを寄せ付けることなく、確実な潤滑効果が見込めるナスカルブはお勧め。浸透性も高い。
ここでメンテしたのは
乗りっぱなしセロー
実走行3万2700kmで定期メンテ無し、タイヤの空気も補充したか、オイルいつ交換したかもわからないほど日常の足として酷使されまくった車両。
いちおうエンジンがかかって異音も無い模様だったので、ひとまず走るのに不安が無いような状態になるようにメンテしてみた。