バッテリーの電圧は3回測ってコンディションを総合的に判断する
バッテリーの寿命は乗り方によって大きく変化する。毎日こまめに乗っていれば少しづつ充電することができるので過放電を防ぐことができ、バッテリー寿命は永くなる。
一方でたまにしか乗らないと、バッテリーは自然放電して電圧低下すると共に、寿命は短くなってしまう。バッテリー寿命は端子電圧を測っただけで判断するのは意外と難しいものだ。今日が元気でセルスタートできても、翌日に急にバッテリー上がりで始動不良に陥ることもある。
テスターでバッテリーと電装系の健康診断が可能!
バッテリー電圧を測って、ある程度の健康状態を把握することができる。
バッテリー電圧は3種類測定を行うことで、電装系の健康状態を判断することが可能だ。
- 無負荷状態の端子間電圧
- セルスタートした時の負荷電圧
- エンジン回転を上昇させた充電電圧
バッテリー電圧測定は上記3種類を計測していただきたい。
- に関してはそのまま。デジタルテスターのプラスとマイナスの端子にそれぞれに測定リードを当てて電圧測定を行う。
- に関してはリードを当てたまま、メインスイッチをオン。さらにセルスタートしてどのくらいまで電圧低下するかを確認する。
- はバッテリーの状態とは直接関係ないが、主に発電がちゃんとされているか?発電した電力がしっかり制御された上で充電されているか?をチェックする。
これで完璧とはいかないまでも、ある程度バッテリーコンディションがチェックできるし、電装系の健康状態を把握することができるはずだ。
しかし、バッテリーの突然死で出先で不動になることもある。通常の鉛バッテリーであれば2年を経過しているものは交換を視野に入れといた方が良いだろう。
フレッシュな新品バッテリーを交換すると明らかに走りが元気になるのが体感できるはずだ。
それだけ、電気は点火に大きな影響を与えている。
セローのバッテリーは車体左サイドカバー内に格納
バッテリーは車体左のサイドカバー内に格納されている。シートを外さずにアクセス可能。
バッテリー周辺にはヒューズボックスなどが配置されている。
プラス端子のゴムカバーが付いていなかった!バイクの車体はマイナスの電気が流れているので、プラス端子とボディが接してしまうとそこでショートしてしまう。非常に危険だ。
バッテリー電圧の測定作業
デジタルテスターは1000円ぐらいで手に入るので、ひとつ持っておく方が良い。ただ、たまにしか使わないとたいてい電池が切れているのでご注意を。
バッテリーの端子電圧を測定するにはダイヤルを「DCV」に合わせる。「DC」はいわゆる直流の意味。
プラスの測定リードをバッテリープラスに。マイナスの測定リードをマイナスに当てる。ちなみにデジタルテスターなので、プラスマイナスを逆接続してもテスターが逆接続を判断してくれて電圧測定できる。
電圧は12.24Vなので、けっこう低め。新品バッテリーなら12.8V以上はあるはずだ。12Vを下回ったら要充電である。充電して12V後半くらいまで端子電圧が回復したとしても、負荷をかけたとたんにすぐに電圧が低下する場合はバッテリーを交換した方が良いだろう。
メインスイッチをオンにすると、テールランプなどが点灯し、電圧が降下する。
セルボタンを押すと、セルモーターに大電流が流れるので、一気に電圧降下が起こる。弱っているバッテリーは12Vを下回って何とか始動する。12.03Vでギリギリ12V代に踏みとどまった。
エンジンがかかったら充電電圧を測定する。エンジン回転を上げていって、14Vくらいまでで電圧上昇が止まればレギュレーターがしっかり仕事をしている証拠。14Vを大きく超えてくるならレギュレーターの故障だ。電圧がまったく上がってこない時は、発電のためのジェネレーター回りやレギュレートレクチファイヤにトラブルがあるかもしれない。
応急絶縁処理を行う
セローのバッテリーは結構弱っていたが、今回は交換を見送り。気温が下がるとバッテリーの活性が落ちるので、突然上がることも考えられる。プラス端子をビニールテープで覆い、絶縁対策をしておいた。
後付け電装品の配線取り回しに注意
ETCの電源線がサイドカバーに挟まれて潰れていた。後付け電装品がある場合は配線の取り回しなどに気を配りたい。
サイドカバーを戻す際は、グロメット部に無理な力がかからないように注意したい。
サイドカバー脱着にはボルト1本を外すだけでOK。
ここでメンテしたのは
乗りっぱなしセロー
実走行3万2700kmで定期メンテ無し、タイヤの空気も補充したか、オイルいつ交換したかもわからないほど日常の足として酷使されまくった車両。
いちおうエンジンがかかって異音も無い模様だったので、ひとまず走るのに不安が無いような状態になるようにメンテしてみた。