外して交換だけではなくしっかりとクリーナーボックス内をクリーンナップしたい
エアクリーナーには「湿式」と「乾式」がある
好調なエンジンのためには「良い圧縮」「良い火花」そして「良い空気」が必要である。エアクリーナーが汚れて詰まると吸入空気量が低下して、ガソリンとの混合比が狂い、エンジン性能が低下してしまう。
エアクリーナーには大きく分けて「湿式」と「乾式」があり、湿式は洗浄して再使用できるが、乾式は汚れたらその都度新品に交換となる。
セローは乾式エアクリーナーを採用
キャブレター時代の225セローはたしか湿式かと思うのだが、250のインジェクションは乾式だった。
乾式フィルターもエアーでゴミを吹き飛ばせば何度か再使用できると言うが、ちゃんと吸入空気の流れの反対からエアーで吹いても、体感できるほど調子が良くなったり、燃費が良くなったりしたためしがない。
それどころか燃費が逆に悪化することも過去にあったので、私としては乾式クリーナーは何もせずに車両指定の交換サイクル通りに5000kmごととか10000㎞ごとに交換するべきだと思う。
コンプレッサーの圧縮エアーを吸入空気の流れ通りに吹いても、逆方向に吹いても結局エアクリ―ナーの細かい繊維の隙間にゴミが詰まってしまうような気がする。
ので、個人的には乾式エアクリーナーのメンテナンスは一切せずに粛々と交換するようにしている。
セローのエアクリーナーはまあまあ綺麗だった
過去の交換歴は知らないが、セローのエアクリーナーはそれなりに汚れていたので、新品交換した。
交換時は、エアクリーナーボックスの内部を掃除しておくのはもちろんだが、クランクケースブリーザーから入ったエンジンオイルが溜まっていないかを確認しておきたい。
クランクケース内圧によって排出されたエンジンオイルは大気に放出すると環境汚染となるため、エアクリーナーボックス内に吹き込む構造となっている。
そのオイルはエアクリーナーボックス内に溜まってしまうので、定期的にドレンパイプを外して点検するようにしたい。
セローのドレンパイプにもオイルが溜まっていたので、内部を洗浄しておいた。
インジェクションモデルは、常に燃調を適正に調整しているが、やはりエアクリーナー常にクリーンにしておくことで、好調を保つことができるのである。
シートを外すとエアクリーナーボックスが現れる。
指で示しているのはエアクリーナーの吸入口である。シート下に何かパーツを取り付けたり、ウエスを保管するような時は、吸入口をふさがないように注意したい。
セローのエアクリーナーの脱着手順
エアクリーナーの蓋はプラスのボルト2本を緩める。
ボルトをエアクリーナーボックス内に落とさないように注意したい。ボルトを吸着できるマグネットドライバーを使うのが正解かもしれない。
蓋付近が汚れている時は、あらかじめ周囲を掃除してから蓋を開けるようにしたい。エアボックス内に落ちてしまうので。
エアクリーナーを上方に引っ張り出す。
エアクリーナー自体はそんなに汚れていないように見える。もっと真っ黒に汚れていると交換しがいがあるかも。
エアボックス内部はブリーザーからのオイルで汚れていた。
手が入らないのでウエスと長いドライバーを使って掃除する。
白いウエスに汚れがかなり付着した。
続いてエアクリーナーのドレンチューブを清掃する。エアクリーナーボックス左下に位置しているが、非常に手が入りにくいところにある。
チューブは金属製のクリップで固定されている。
透明のビニールチューブ内にオイルが溜まっているのが確認できる。
左サイドカバーを外した状態で作業した。
奥まっていて手が入りづらかったが、何とか外すことができた。
中に溜まったオイルを排出させる。
内部をパーツクリーナーで洗浄しておいた。
洗浄したブリーザーチューブを確実にエアクリーナーボックスに組み付ける。
確実にクリップを留めておく。
エアクリーナーは純正の新品を用意した。ヤマハはパーツリストがWEBで閲覧できるので、純正パーツもネットで簡単に手に入れることができる。
それほど汚れていないように見えたエアクリーナーだが、新品と比べると違いは明らか。
エアクリーナーはスライドして組み付ける。組み付けの溝から外れていないことを確実に確認する。
しっかり奥に突き当たるまで差し込む。
蓋を確実に締める。隙間が空いているとゴミが侵入することになる。
シートを復元する際は、シート前端の爪を
車体側の受けに確実に差し込む。
爪を確実にセットしてから、シートを前方にスライドするように復元する。
ボルトの穴位置が合っていなければシート組み付けミスの可能性もある。
シートの取り付けボルトは締めすぎに注意する。
エアクリーナーが汚れて著しく詰まっていた場合、キャブレター車だと新品に交換することでパワー感が蘇ったり、始動性が良くなったり、燃費が良くなったりと体感できる要素は多い。
ここでメンテしたのは
乗りっぱなしセロー
実走行3万2700kmで定期メンテ無し、タイヤの空気も補充したか、オイルいつ交換したかもわからないほど日常の足として酷使されまくった車両。
いちおうエンジンがかかって異音も無い模様だったので、ひとまず走るのに不安が無いような状態になるようにメンテしてみた。